うつ病の回復の必須条件、それは家族
病気のことはわかっていても周囲の環境が悪ければ努力しても良くならないうつ病急性期
家族がうつ病になると、「本人は生きているだけでも頑張っている状態なので、頑張れと言わないでください」「見守っていてください」と医療者からは説明されると思います。
私は、総合病院での看護師時代に、糖尿病や腎臓病、膠原病の患者さんが入院する病棟に長年勤務していました。
慢性疾患である病気は、出口がないため、うつ病になる患者さんがいて、私の勤務していた病棟には常に最低1人は入院していました。
うつ病の患者さんは、周囲の発言や態度を気にして、頑張りすぎてしまう人が多いんです。しかも、頑張りすぎた結果、疲れ果てて、翌日は食事も喉を通らなくなるケースも目にしていました。
色々と話を聞くと、夫や医師に「頑張って運動しないと、よくならないよ」と言われた言葉に無理してしまった。無理をするとダメだとわかっていても、頑張らなきゃと思ってしまう。と、必ず話してくれました。
私も一緒でした。上司の一言や、親の一言で、頑張ろうと思い、どんどん自分を追い詰めていた経験が何度もあります。
私は、看護師の経験から幸いなことにうつ病との付き合い方を元々知っていたため、自殺に追い込まれることはありませんでした。
消えていなくなりたいと、瞬間的に思うことは何度もありましたが、そこはうつ病の症状だと自分を客観視できていたのでなんとか回避できました。
でも、周囲の人の対応が全て間違っていて、逃げ道がなくなったら・・・。客観視できたところで、追い込んでしまうことになるため悪い結果に結びついてしまうと思います。
うつ病を発症してすぐの段階や、悪化しているときは、判断力が曖昧です。いくら医師でも正確な判断ができないので、周囲の協力が必要です。
うつ病の自覚症状を悪化・安定させる周囲の接し方
私はナース時代に、うつ病を発症しました。うつ病患者さんへの関わり方は、一般の人よりもわかっているつもりです。
現在は、元気になり副業として看護師をやっていこうと思えるほど、復活しました。
私が元気になったのは、夫の協力があったからです。
最近、私の公式LINEに「家族がうつ病になってしまい、対応に困っている」と言うメッセージをいただきました。
そこで今回は、周りの人にされた対応の中で、私の症状が悪化したものと、心の状態が安定したことについて書いていこうと思います。
うつ病を悪化させた周囲の接し方
- 目を見て話してくれない
うつ病でお薬を飲み始めた時は、調整している時期なので、メンタルはまだまだ不安定です。しかも、眠くなり機敏な対応ができないからこそ、自分に納得がいかずネガティブになります。
そんな時は、周囲の反応が普段以上に気になります。真剣な話をしているのに、目を見て話してくれなかったり、作業をしながらながら聞きをされたりすると、この世の終わりくらい傷つきます。
病気になる前は、全く気にならなかった医師の反応や同僚の反応に気を取られて、業務には集中できなかったことを覚えています。
さらに、相手の態度がちょっと悪いくらいなのに(ぶっきらぼうなのはいつものことだとわかっていても)、寝るときも考えてしまうくらい気にしてしまうんです。
- 他の人と比較される
過去の自分と比較されて、業務量や効率が落ちていることを指摘されるのであれば、私のことを見てくれているとわかるのですが、絶不調のイマの私と他の人を比較されると人として否定された気分になりました。
私のケースですが、部署異動してすぐの頃に、師長から「私に言わせれば、容量が良いようには思えない」「他のスタッフもやってるんだから、そこは役割等級として給料に見合った働き方をしないと」「主任さんのことも大事だけど、他のスタッフのことも大事に思ってるから」など、と言われました。
この師長は、自分の言いたいことを言わないと気が済まないタイプで、ルールは忠実に守り目標に向かって行動するアクティブな女性です。
日頃の言動などから、私はこう受け止めたのです。私は容量が悪くて、主任としてもダメなんだ。師長さんはやっぱり、私のことが好きじゃないし、私という個人を尊重するのではなく、組織を大切にしているんだろうな。私の辛さは関係ないし、しっかりしろと思っているんだ。だから、師長さんにバレないように隠れて仕事をして、私の与えられた役割をなんとしてでもやらなくては。
と、追い詰められてしまいました。
このとき、過去に働いていた師長や副部長、他のスタッフに私の状態と確認した後「ちょっとくらい手を抜いても大丈夫だから、中嶋さんらしくマイペースにやったらいいよ」と一言いってくれていたら、追い詰められることはなかったと思います。
ここから学んだことは、気持ちが沈んでいたり、仕事で効率が悪くなっている人がいたら、とにかくどう思っているか、相手の話を聞いてあげることが大切なんだと実感しました。
- 効率が悪いことを指摘される
上記にも書きましたが、「容量よく見えない」とか、効率が悪い→鈍臭いと指摘されることは、屈辱的です。
効率が悪くなったなら、「最近どうした?」とまずは何かあったのか確認することが普通です。
悪いところを、真顔で直球に指摘したら、誰だって傷つきます。ましてや、何もかも否定的に考えるメンタルの崩れている時期に言われたら、消えていなくなりたいと思ってもおかしくありません。
これは、一般論、道徳の授業で習うことだと思います。人は傷つける言い方をしてはいけないと。
- 給料・役割に見合う働き方を強いられる
「給料にあった働き方をして」と思うのは、よーくわかります。でも、それは意図的にサボっている人、ズルい考え方をしている人だけ。
上司なら、給料・役割に見合う能力を引きせるような環境を整えるべきでしょ。と、今の私なら思います。
でも、気持ちが落ちているときは、そんな客観的なことはもちろん考えられません。
給料分働いてと言われたら、私の能力がないからだ。もっと頑張らなくてはと自分を追い込み、効率が悪いのに仕事を抱え込み、さらに時間がなくなります。
時間がなくなると言うことは、残業が増えると言うこと。休息時間やプライベートが削られ、プライベートでも仕事のことを考え、追い詰められ、寝つきが悪くなります。
そして、最悪なことに夢でも仕事のことばかり考えてしまうと言う悪循環に。
つまり、睡眠時間が減り、睡眠の質が落ちるから、疲れがたまり、さらに効率が悪くなるんです。
そんな自分を見ていたら、さらに自分ってダメだ。と思い、消えたい願望が強くなります。
- 退職したら収入がなくなる、保証がなくなるなど条件が悪くなると言われる
これは、母に言われた私を心配しての言葉です。老後の保障や、安定した収入がなくなることと、20年間と言う長年勤めてきた勤続年数によって退職金が変わることをとても気にしていました。
幼い頃から、安定した職業につくよう育てられてきましたから、安定がなくなると言う恐怖感は潜在的にありました。だから、退職したらダメ人間になるんじゃないか。世間からは脱落者として見られるんじゃないか。と思うようになりました。
では家族にできることは何かというと、衝動的に仕事を辞めると言っていないか、確認することです。そして、心配の言葉をかけるよりも、事務に休職しているメリットと、退職する時の手続きについて、お金のことなど、具体的に確認することをリストアップして頭を整理てあげることです。
私が退職したときは、バタバタと1日で退職手続きをしてきました。正直、言っていることがよくわかりませんでした。頭が正常に働かなかったですからね。
振り返って考えると、もう少し頭がしっかりして正常な判断ができるようになってから退職手続きをとればよかったなと思っています。
- 状況報告のために電話や来所を強いる
上司は、気分転換のために良かれと思って「また寄って話していくんだよ」と声をかけてくれました。
でも、あのときは調子が悪くても、立ち寄らなくてはいけないと脅迫されている気分でした。週に1回くらい状況の報告が欲しいと言われたこともあります。
あれは、苦痛でしかありませんでした。笑顔を作って、体調が良過ぎもせず悪すぎもしない態度を取らなくてはいけなかったですからね。
今考えれば、職場には、体調が悪ければ書類を郵送すればよかったんです。調子が悪いから診断書を書いてもらってお休みをしているのだから、気にしなきゃいいのに、気にしちゃうんですよね。正常な判断ができないので。
このような時の対応マニュアルがあれば、離職せずにすむ人もいるかもしれないと思う今日この頃です。
うつ病の真っ只中でも気持ちが楽になった周囲の接し方
- 周りの目なんか気にしなくてもいい
この言葉、とにかく響きます。
ついつい周囲の目を気にしすぎるのが、うつ病の人の性格的な特徴です。
だから、優しく「他の人のことは、気にしなくても大丈夫。自分を大切にして」と言われると心が救われました。
私の場合は、しょっちゅう夫がそう言ってくれていたので、思考が大パニックになってもスーッと落ち着いたことを覚えています。
- お金のことよりも今ここにいてくれていることに感謝だよ
生活する上で、今ある収入が減るのは重大なことです。頭の中が大パニックになっている時は、まだまだ自分は無理できると考えがちです。
だから、身近な家族から「お金のことよりも、まずは体が元気になることが一番だよ」と言ってもらえることが、存在を認めてもらっているようで気持ちが楽になります。
もし、周囲にお金はどうするの?と聞いてくるような人がいたら、心の状態が落ち着くまでは距離を置くことをお勧めします。
- メールの返信も大変だと思うから、返信はいらないよ
友人などから、心配してメールや電話が来ることがありました。気持ちはとっても嬉しいのですが、最初の頃は文章を考えることも困難でした。
「返信はいらないよ」と一言もらえるだけで、気取った返信をしなくていいんだと思えるので、とっても楽になります。
メールする内容は一緒でもいいんです。ただ、返信不要ということを伝えるだけで受け止め方が変わりますから。
ただ、同僚や先輩、友人からもらうメールや電話はとっても嬉しかったです。気遣ってくれる愛が伝わりますからね。
- 無理して起きてなくていいよ
うつ病になると、体が鉛のように重くなって起き上がることが難しいです。でも、ずっとベッドでゴロゴロしているのが申し訳なくて頑張って起きるようにしていました。
すると、夫が「無理しなくていいよ。何のために休んでるかわからないじゃん。やれることしかやらないけど、やれることはやるから」と言ってくれたんです。
この時、私が甘えでダラダラして眠っているわけじゃなく、起きようと必死にもがいていることをわかってくれているんだ。と思いました。
結局、何ヶ月もこの状態は続きましたが、夫は文句ひとつ言わずに接してくれました。
- 眠りたい時には無理に起きてないでいいよ
朝、起きてもすぐに疲れて眠くなってしまうことがあります。一人でいれば、すぐに眠るのですが、家族でいると気を遣ってしまいます。
そんな時、タイミングよく「ベッドで寝ておいでよ」と声をかけてくれたことがありがたかったです。
何度も声をかけてもらうことでようやく「甘えても不快になられないんだ」と実感できた記憶があります。
変に遠慮深い人の場合は、面倒かもしれませんが、繰り返し休むように軽く伝えるといいのかと思います。
なぜ、繰り返した方が良いかというと「前はそう思ったかもしれないけど、今日はダメなタイミングかもしれない」と考えていることが多いからです。
構って欲しいわけではないと思いますので、軽い言葉で「休んでおいで」といってあげてください。
- 洗濯・家事を何も言わずすすんでやってくれる
夫は仕事があるにもかかわらず、息子の朝食の準備・片付け、ゴミ出し、洗濯を畳むことなど、今まで朝やっていたことをほとんどやってくれました。私は、簡単な夕飯の準備くらいしかやれていなかったように思います。朝は、「いってらっしゃい」といって送り出すのがやっとでした。
「やってやってる」オーラを出すわけではなく、できることをやっておこうという考え方で行動してくれた夫がいたからこそ、早く復活できたんだと思います。
身近にいるからこそお互いに無理のない接し方をする
悪い対応、良い対応についてまとめてみましたが、ご家族が精神的に追い詰められてしまったら、元も子もありません。
一番大切なのは、どのような対応をすると「症状が悪化しやすいか」「気持ちが楽になりやすいのか」を知っておくことです。
知っていれば、タブーな行動をしないようにしておけばいいし、ストレスが溜まりそうだったら、少し距離をとってリフレッシュすると良いと思います。
コーヒーを飲んだり、趣味や音楽、動画を楽しむ、散歩するなど五感を使ったリフレッシュをすることがオススメです。
無理だと思ったら、自分の中にとどめておかず、辛い気持ちを解放することもオススメです。
ご要望のあった、ご家族のお悩み相談に関しても、対応することといたしますので、お気軽にお問い合わせください。

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